今日電話で「建設業許可の更新が近づいていますが、これまで1回も決算変更届を行っていません。どういたらよいでしょうか?」という相談がありました。

 まず最初に、許可事業者の義務の面から説明しますと、建設業の許可事業者は許認可庁に対し、毎決算終了後4カ月以内に請負った建設業の内容や決算書などを記した決算変更届を提出しなければなりません(建設業法第11条)。従いまして、この質問者は、完全に建設業法に抵触していますので、違反状態にあるということになります。

 そして、この違法状態を行政処分の面で検討しますと、平成14年9月30日制定の「建設業法による監督処分基準」によれば、基準中「4監督処分の基準」中で、第11条違反(決算変更届出の提出義務違反)に抵触している場合は、許認可庁から監督処分(本件の場合は指示消処分)を受けることになっています。また、不正行為等が重複する場合は、営業停止処分を受けることとなります。
 なお、本不正行為に関する情状が特に重いと判断された場合は、建設業法第29条の規定により、許可の取消処分を受けることになります。

 以下に、建設業法に違反した場合の罰則(刑事罰)を記載します。

◆3年以下の懲役又は300万円以下の罰金

① 建設業の許可を受けないで建設業を営んだ者(軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者は、この限りでない。)
② 下請契約の締結の制限に違反して下請契約を締結した者「特定建設業の許可を受けた者でなければ下請契約できない場合がある
③ 営業停止、禁止の処分に違反して建設業を営んだ者
④ 虚偽又は不正の事実に基づいて建設業の許可を受けた者(許可の更新を含む。)

◆6月以下の懲役又は100万円以下の罰則
① 許可申請書又は添付の書類に虚偽の記載をしてこれを提出した者
② 変更等の届出(毎事業年度経過後4ヶ月以内に提出しなければならない決算変更届を含む。)の書類を提出せず、又は虚偽の記載をしてこれを提出した者
③ 許可の基準を満たさなくなった、又は欠格要件に該当することとなった旨の届出を2週間以内にしなかった者
④ 経営状況分析申請若しくは経営規模等評価の申請に虚偽の記載をしてこれを提出した者

◆100万円以下の罰則
① 主任技術者又は監理技術者を置かなかった者
② 建設業の許可を受けた建設業者に建設工事を施工させるべき場合において、許可を受けていない建設業者に工事の施工をさせた者
③ 許可がその効力を失った後又は当該処分を受けた後、2週間以内に注文者に通知をしなっかた者
④ 登録経営状況分析機関や国土交通大臣又は都道府県知事の必要な要求に対して、報告をせず、若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出した者
⑤ 国土交通大臣又は中小企業庁長官の必要な要求に対して、報告をせず、又は虚偽の報告をした者
⑥ 国土交通大臣又は中小企業庁長官の必要な要求に対して、検査を拒み、妨げ、又は忌避した者

 
◆10万円以下の過料
① 廃業等の届出を怠った者 
② 審査会による出頭の要求に応じなかった者
 
③ 店舗及び建設工事の現場ごとに、公衆の見易い場所に標識を掲げない者
 
④ 建設業について、許可を受けていないのに、その許可を受けた建設業者であると明らかに誤認されるおそれのある表示をした者
 
⑤ 営業所ごとに、その営業に関する事項を記載すべき帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿若しくは図書を保存しなかった者

お問合せはこちら

お電話でのお問合せはこちら

099-254-8696

携帯はこちら О90-1874-2449

フォームでのお問合せは24時間受け付けております。※営業勧誘目的の問い合わせは厳禁